広角レンズは近くのものは大きく、遠くのものが小さく写るパース効果で写真に歪みが生じます。この歪みのために、広角レンズは「難しい」「使いにくい」と言われることが多いみたいで、実は僕も苦手でした。この苦手意識を克服すべく、広角レンズでの写り方の違いを実際に検証してみました。
どれくらい歪むのかまずは実験
論より証拠。まずは実際に撮り較べてみましょう。16-35、F4のレンズを装着し、35mm、24mm、16mmそれぞれでの写真の見え方の違いを見てみました。
まずは35mmから。
次は24mm
最後は16mmです。
できるだけ同じアングルで狙いました。35mmは実際に見た目の印象にかなり近い写真になっています。24mmでは35mmと比べると腕が少し長めに写っていることがわかります。24mmでもパース効果は出ているんですね。16mmになると、実際の猫ではあり得ないくらい腕が長い猫に見えます。猫の顔が小さく写っていて腕と顔の距離が遠くなっているのが分かります。遠近感が強調される、いわゆるパース効果ですね。
また、背景が広く見えていることも広角レンズの特徴の一つです。
単に背景だけ広く見せようとして広角を使ってしまうと、被写体が歪んでしまって意図していないような写真ができあがってくることがあります。これが広角レンズが難しいと言われる原因なんだと思います。
この特性をしっかりと頭に叩き込んだ上で、パース効果を生かした構図を考える必要があるわけですね。
遠近法が生きる構図がイメージできれば広角レンズは大活躍できる
遠近法が生きる構図ってどんなものでしょうか。例えば、広角レンズでよく見る手法が顔をアップにするもの。
写真のように顔に思い切り近づいて撮影すると、遠近法を生かした写真になります。
顔とは逆に、お尻や尻尾を強調したい場合でも同様に、強調したい部位に近づいて撮影すると面白い絵になります。
写真は失敗していますが、尻尾を強調して遠近法を使ってみても面白い絵ができそうです。
被写体を引き立たせるためのモノで遠近感を強調することで、被写体に視線を集めるやり方もありそうですね。
今回のまとめ。
1、24mm以下では背景が広く写せるが、パース効果がかなり強く出る
2、パース効果が近くのものが大きく、遠くのものがより小さく見える。被写体に大きなゆがみが出ることを計算に入れて構図を考える
3、広く写るということはピント位置がかなりシビアであるということ。どこにピントを合わせるかを慎重に決める。
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