フルサイズとマイクロフォーサーズの違いをおさらい
フルサイズやマイクロフォーサーズというのは、カメラのセンサーの大きさのことです。センサーサイズが大きければ取り込めるデータが多くなるわけで、一般的には画質が綺麗になるなどと言われています。
が、それはセンサーサイズ単体での理論的なお話。レンズを含めて全体で評価をした場合、マイクロフォーサーズもフルサイズに匹敵する画質だと思います。
オリンパスのマイクロフォーサーズ説明ページによると、それぞれのセンサーサイズは以下のようになっています。
フルサイズとマイクロフォーサーズのレンズの重さ・大きさの比較も掲載していましたのでご参考まで。
軽量・コンパクトで画質もいいマイクロフォーサーズの弱点はボケ量
では、軽量・コンパクトで画質もいいマイクロフォーサーズを使っていた僕がフルサイズに乗り換えた理由は何でしょう?ずばり、ボケ量です。
同じ絞りで比べると、マイクロフォーサーズのボケ量はフルサイズのボケ量よりも少ないのです。実際の写真で見比べていただきましょう。
こちらがフルサイズの105mmでf4で撮影した時の写真です。カメラから被写体までの距離は80cm。写真に写っている猫のぬいぐるみの顔の幅は9cmほどです。
次にご覧いただくのがマイクロフォーサーズの52mm(フルサイズ換算で104mm)でf4で撮影した写真です。
ぬいぐるみの後ろの棒部分などを見ると明らかにフルサイズの方がボケ量が多いことがお分かりいただけると思います。
では、マイクロフォーサーズ52mmのf2.8ならどうか。
ボケ量が明らかに増えていますが、二匹目の猫の手の部分を見るとまだフルサイズのf4の方がボケ量が大きいことが分かります。
理論的にはマイクロフォーサーズのボケ量は2段分少ない
理論的に言いますと、マイクロフォーサーズのボケ量はフルサイズに比べて2段分少ないのです。F値は1の倍数(1,2,4,8,16・・)と1.4の倍数(1.4,2.8,5.6・・・)が交互に並んでいます。ずらっと並べると下のようになります。
f1→f1.4→f2→f2.8→f4→f5.6→f8→f11→f16→f22→f32
つまり、フルサイズのf4ならマイクロフォーサーズのf2のボケ量と同等というわけです。僕が使っている機材の記事でも触れていますが、僕がフルサイズをメインにした理由がこれなのです。
100mmを超えるような望遠で撮影する場合には、f値がある程度大きくてもレンズでボカすことができます。
が、僕の場合、猫撮影は50mm以下の広角域での撮影が大半です。広角域でボカしたい場面というのはかなり少ないこともあって今まではマイクロフォーサーズで撮ってきました。が、広角域でもボケを生かした写真を撮ってみたいという思いが高まり、フルサイズに乗り換えたというわけです。
フルサイズではf4のズームレンズを使っていますので、オリンパスのf2.8のレンズと1段分しかボケ量が違わないのですが、ふわっとしたボケ感はやはりフルサイズならではの味わいがあります。
ただ、ボケ量が小さいことは必ずしも弱点とは言えません。奥や手前にもできるだけピントを広げたいような場合には、同じ絞りでボケ量が少ないマイクロフォーサーズが有利という言い方もできます。また、ボケ量が同じ場合、光量はマイクロフォーサーズの方が多いということが言えます(フルサイズのf4とマイクロフォーサーズのf2は同じボケ量だが光量はf2の方が当然大きい)。自分がどんな写真を撮りたいかで選べばよいのだと思います。
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