動く猫を撮るならどっち?マイクロフォーサーズorフルサイズ

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飛び猫をはじめ、動く猫をしっかりと写したい時にはマイクロフォーサーズとフルサイズ、どちらが有利なのか。一緒に考えてみましょう。

ピントが合いやすいのはマイクロフォーサーズ

横に動く猫ならまだしも、前後斜めに動く猫にピントを合わせるのは難しいものです。通常、こうしたケースでは可能な範囲で絞り込んで被写界深度を稼ぎますよね。

例えばF2.8よりもF4の方がピントの合う範囲は広がりますし、F8やF11など数値が高いほどピントの合う範囲は広がります。ですので、距離が読みにくい動き物を撮る場合には可能な範囲で絞り込むのが普通です。

さて、同じF4でもマイクロフォーサーズのF4のピントがあう範囲と、フルサイズのF4のピントが合う範囲は異なります。

マイクロフォーサーズのF4はフルサイズのF8と同等のピント範囲になります。

写真はマイクロフォーサーズで撮ったものです(レンズ12-100 F4.0)。撮影時の絞りは4で、焦点距離54mm、ISO感度250、シャッタースピード1/1000です。

同じ被写界深度のF値ならマイクロフォーサーズの方がシャッタースピードが速い

同じF値ならマイクロフォーサーズの方が被写界深度が広いという話をしました。逆に、同じ被写界深度で比べてみましょう。

フルサイズ F8

マイクロフォーサーズ F4

ということになります。

例えば、フルサイズのF8でシャッタースピードが1/250とすると、マイクロフォーサーズならその2段分早い1/1000になります(ISO感度が同じ場合)。

動き回る猫を止めるには1/500〜1/1000くらいのシャッタースピードが必要になりますので、シャッタースピードを落とさずに広い被写界深度を保てるマイクロフォーサーズは動く猫にぴったりということになります。

こちらもEM1Mark2+12-100 F4で撮影したもの。F8、焦点距離38mm、シャッタースピード1/1250。晴天のため、ISO感度は400。フルサイズで同じ被写界震度を作ろうとすると、F16になり、カメラによっては何らかの制限がかかることもある。

弱点はISO感度やトリミング耐性

被写界深度だけで考えると、マイクロフォーサーズの方が有利なのは誰が考えても明らかです。

背景をあまりぼかさない。トリミングはほとんどしない。ISO感度を上げることによる画質の劣化はある程度は容認できる、ということであれば、マイクロフォーサーズ一択となります。

が、そうでない場合は、下のように条件によって選択肢が変化します。

晴天下で動き回る猫を撮る場合

フルサイズで絞りを上げてもある程度のシャッタースピードが確保できるため、フルサイズでもマイクロフォーサーズでもそんなに変わらない。

絞り込んでもISO感度を上げずシャッタースピードを確保できるのであれば、あとでトリミングをしたりすることを考慮するとフルサイズが無難な選択肢か。

写真はフルサイズ SONY α7Ⅲ+24-105 F4。焦点距離49mm、F5.6、シャッタースピード1/800。晴天だとこの条件でもISO感度200で使える。

曇りや日陰で動き回る猫を撮る場合

フルサイズだと絞りを上げるとシャッタースピードが下がるため、F4など被写界深度が狭い絞り設定にする必要がある。マイクロフォーサーズだと同じF4でも、被写界深度はフルサイズのF8と同等となりピントが合いやすくなり有利。

写真はEM1。ISO400でF4なので多少日陰でもシャッタースピードは1/2000!。

夕方など、光が足りない場所での撮影

ISO感度を高くしてシャッタースピードを稼ぐ必要が出てくる。マイクロフォーサーズはISO感度を上げすぎると画質の劣化がわかりやすいため、ISO感度をかなり調整する必要がある場合はフルサイズに軍配があがる。

こちらは日陰で遊ぶ猫をα7Ⅲで撮ったもの。F5.6、ISO800でシャッタースピード1/640。さらに暗くなってくると、マイクロフォーサーズでもISOをどんどん上げていく必要があり、画質が心配になってくる。

まとめ

1、明るい場所でISO感度を上げずにシャッタースピードを稼げる場合は、フルサイズでもOK

2、曇りや弱い日陰などで撮る場合は、被写界深度が深くシャッタースピードを上げやすいマイクロフォーサーズが有利

3、マイクロフォーサーズでもISO感度1600を超えるような調整が必要な場所では、ISO感度耐性の強いフルサイズで明るいレンズを使うのが良い。ただし、被写界深度は狭いためピント合わせは難しい。

ということになります。

動く被写体にしっかりとピントを合わせることを優先するなら、同じF値で被写界深度が広くなるマイクロフォーサーズが有利なのは間違いありません。ただ、トリミングをしたりISO感度をかなり上げて撮る場合にはフルサイズが有利になることもあります。

極論、ピントを合わせる腕があれば、迷わずフルサイズでも良いのですけどね(笑。

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