最近、背景を入れた写真を撮ることが多く、控えのオリンパスE-M1 mark2と7-14mmPROの組み合わせを頻繁に使っています。メイン機のα7Ⅲのレンズは24-105mm F4の一本だけ。せっかくなら広角もフルサイズで撮ってみたい、ということで広角レンズを調達しましたので早速レポート。
ソニーフルサイズの広角3種類
ソニーα7Ⅲで使える広角ズームレンズは次の3種類があります(画像はソニーの公式サイトから)。
12-24mm F4 G 定価237,600円
16-35mm F2.8 GM 定価318,600円
16-35mm F4 ZA OSS 定価170,640円
最も広い画角は12-24mmなのですが、24mmまでというのが猫撮影には少々厳しい。と、なると16-35mmのどちらかということになるのですが、広角側でボケを求めるシーンはあまりありませんので、とりあえずコスパが高そうで最も軽量(518g)なZEISS 16-35mm F4(FE16-35mm F4 ZA OSS)を選んでみました。あと、このレンズで嬉しいのは広角でありながらレンズ保護フィルターが普通に装着できる点。(広角レンズはレンズが丸く出っ張っていることが多く、保護フィルターが装着できないタイプが多い)
なお、どのレンズも28cmまで寄れるのでかなり接近して撮影が可能。これ、猫撮影ではとても大切なポイントですね。
24mmとの違いを実感!背景を生かした猫写真が撮れます
早速、猫島で試してきました。こちらは24mm、F10での撮影。
下の写真は19mmのF8。ぎりぎりまで寄ってみました。猫をアップにしながらも背景をある程度入れられるのはいいですね。ボケの綺麗さは普通な感じでしょうか。
35mm(このレンズの一番ズーム側)で撮ると、こういう画角になります。背景が入らず、やや単調な構図になってしまいます。
下の写真も16mmでの撮影。画面左端の草や花歪(ゆが)んでいるのが分かりますでしょうか。この歪みで花びらが広がっているように見えて、賑わっているように感じません?
同じ花を入れた構図でも35mmだと、こうなります。賑わい感では広角の方が上ですよね。
パースに注意
広角レンズというのは、35mm以下のレンズを一般的には言います。24mm以下は超広角と言われていて独特の歪みが生じます。
余談ですが、パースペクティブとは遠近感という意味で、独特のゆがみというのは奥のものがより小さく、近くのものがより大きく写るという現象です。
画角が広ければ広いほど(24より20、20より16mm)、独特のゆがみは強く現れます。また、カメラを平行に構えるのではなく、下から上や上から下に構えて撮るとゆがみは一層強くなります。
例えば、こちらの20mmで撮影した写真をご覧ください。
失敗写真ですが、猫の頭の部分が変形しているのがわかりますでしょうか。被写体がカメラ全体を占めるような構図になると、被写体の変形が目立ってくるという例ですね。
同じ20mmでも、下の写真のように被写体が中央付近に写っている場合はゆがみはさほど目立ちません。
下の写真をご覧ください。こちらは16mmの飛び猫。背景が広く写ってはいるのですが、手がびよーんと長く写っているのがわかりますよね。こういうシーンを広角で撮る場合には細心の注意が必要になることがわかりますね。
こちらの写真も16mmで撮影したものです。猫がいる風景を一緒に収めたかったので広角を使っています。中央部の竹の棒に注目してください。手前から奥へとかなりパースが効いているのが分かると思います。
背景が広く写るというだけで広角を選択してしまうと、意図しないパース効果によって想像したものとまったく違う写真が撮れてしまうので注意が必要です。
ほかにも作例をご紹介
下の写真は17mmのf4.5で撮ったものです。
次の写真は16mm、f4.0です。
24-105と比べると気持ちボケが硬い?かなという印象がありました。
こちらも16mmです。狭い空間では16mmの画角はとても役立ちます。ゆがみを出したくないので、できるだけカメラを平行に構えて撮っています。
16mmのf5.0。画面中央に猫を配置し、近づいて撮影すると猫の顔が少し膨張して見える効果があります。横に顔が長い猫をこういう風に撮影すると、その横長の顔が強調されてかわいい写真になりそうです。
レンズの印象としては、解像度はそれなりに高く、ボケが少し硬めな印象でした。16mmの画角は狭い場所では本当に役立つモノですが、被写体に近づいた時の遠近感が大きいため使いこなすにはかなり練習が必要だと痛感しました。