書評 ジェフ・ベゾス 果てしなき野望
著者:ブラッド・ストーン
出版社:日経BP社
普段頻繁に利用しているamazon.comがどのように発足し、成長していったのか。創業者のジェフ・ベゾスを中心に描いた本。
意外にも創業者ジェフ・ベゾスは小売やIT出身ではなく、金融業界出身。
インターネット上でどんなニッチな本でも購入できる書店を目指すところからamazon.comはスタートしていきます。
やがて、様々なものを扱うようになり、どんなものでも低価格で揃うマンモスストアへと。
この本の中で知ったことは、その成長の裏には常に「顧客第一主義」があったという点。会社の都合ではなく、顧客が何を望んでいるかを第一優先として考え、短期間の赤字はすべて会社でかぶるという徹底ぶり。
しばらくアマゾンが業績赤字で投資家の多くが「あの会社は利益をあげられない」と短期的に評価していた時期がありました。
そのときにアマゾンは5年先、10年先の勝利を見ていただけでなく、その信念をもって周りのネガティブな意見に屈することがなかったといいます。
顧客が満足し、amazonを選んでくれれば利益は必ずあとからついてくるという考え方に感動すら覚えました。
一方でネット小売だけでなくプラットフォーム事業にも積極的に進出し、世界を変えるようなサービスを次々と生み出している点もアマゾンのすごさです。
ライバルはウォルマートでなく、アップルやGoogleであることの意味がこの本で理解できます。
急成長する会社を牽引するのは金ではなく人の信念であり、熱意であることを再確認できた一冊でした。