SONYのα7Ⅲには動き物を撮影する時に便利なC-AFというオートフォーカス機能があります。
AF-Cはオートフォーカス・コンティニュアスの意味で、シャッター半押しの状態でカメラが勝手にピントを合わせ続けるというもの。
スポーツシーンや動物の撮影など、動く物をキレイに撮影するために実装されている機能です。オリンパスのEM1mark2ではC-AFという名称で同じ機能があり、EM1mark2のC-AFの使い方の記事を過去にアップしています。
SONYのα7Ⅲ+24-105GレンズでAF-Cはどの程度使えるのか、猫写真を撮りながら試してみました。
ここでご説明するオートフォーカスとエリアの設定は、かなり頻繁に使うものですのでカスタムボタンに予め設定しておくと便利です。僕は写真のC2にAF、C1にエリアを設定しています。
α7ⅢのAF-Cはかなり使える
結論から言うと、α7ⅢのAF-Cは猫撮影において、かなり使えます。
・寝転んで背伸びをしているような場合
・歩いてくる猫
・走ってくる猫
・猫同士が軽くじゃれあっているような場合
・ある程度激しく動いている場合
のどのシーンでも、それなりにピントが合ってくれます。
EM1mark2に匹敵する、あるいはそれ以上の確率でピントが合っているように感じました。
2019年5月追記:最近知ったことですが、α7ⅢはF11を超えると像面位相差が効かずコントラストAFのみになります。ピントを合わせる機能には像面位相差とコントラストという二つの機能が使われていて、接近してくる猫や動きの早いものを素早く捉えられるのは像面位相差。つまり、AF-Cを使うシーンには像面位相差機能が必要なので、絞りはF11を超えないようにするのが無難です(α7RⅢとα7ⅡはF8までとのこと)。
AF-Cで成功確率をあげるためのポイント
AF-Cにするだけで良いのか、というと答えはNoです。
動く猫のピントを合わせるには、オートフォーカス以外の箇所も調整する必要があります。
コツを書く前に、SONYのオートフォーカスのモードについて、おさらいしておきましょう。
AF-S(シングルオートフォーカス) シャッター半押しでピントを合わせる、最もオーソドックスなもの。あまり動かない被写体向けですね。
AF-A(AF制御自動切り換え) オリンパスのEM1にはなかったモードで最初戸惑いました。シャッターボタンを半押しした際に被写体があまり動かない場合はAF-S、動く被写体と判断すればAF-Cとして稼働する。猫には向いていそうな気がしますが、ほとんど使ったことはありません。
AF-C(コンティニュアスAF) シャッターボタン半押ししている間、ずっとピント合わせを繰り返す。動いている被写体に適している。
DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス) シャッターボタン半押しでオートフォーカスでピントを合わせた後、シャッターボタン半押しのままレンズのフォーカスリングで手動でピント合わせができる。微妙なピント合わせをしたい場合に最適。オリンパスでもAF後にフォーカスリングで手動ピント合わせをしていたことも合って、このモードはよく使います。
MF(マニュアルフォーカス) 手動でピント合わせをするモード
オートフォーカスの方法と併せて、フォーカスエリアについても記載しておきます。
ワイド・・・モニター全体がフォーカスエリア。AF-SでもAF-Cでも使えますが、被写体と背景が完全に分離しているような場合でないとピントが色んなものに持って行かれます。空を飛ぶ鳥を撮影する場合などに適しているのかな?
ゾーン・・・オリンパスでいう、グループターゲットのような感じ。全体の3/4くらいの範囲でピントを合わせる物で、ワイドにかなり近いです。
中央・・・常に画面中央部でピントを合わせます。AF-Cではかなり使いやすいフォーカスエリアですが、日の丸構図になりやすいのが欠点です。
フレキシブルスポット・・・上下左右に移動できる中央フォーカスエリアと言ったところです。静止している被写体などには適していますが、エリアを上下左右に動かす手間がかかり、俊敏に動く被写体には使いにくい。
ロックオンAF・・・オートフォーカスがAF-Cの場合に使えるモードで、ターゲットをロックオンして追尾する物です。オリンパスにも同様の機能がありましたが、あまり使えず。α7Ⅲもやはり今ひとつな印象です。
さて、本題に戻りましょう。
AF-Cの時にどのフォーカスエリア設定を選ぶかという点が実は最も重要なポイントになります。
フォーカスエリアはワイド、ゾーン、中央、フレキシブルの順に小さくなっていきます。
エリア内の被写体を認識してピントを合わせ続けるのがAF-Cですので、エリアは大きい方が有利です。が、エリア内のどこにピントを合わせるかはカメラ任せになってしまいます。
ですので、被写体を追いかけ続けることができる自信がある方は、できるだけ小さなエリア設定(中央かフレキシブル)にして、自分でどこにピントを合わせたいのかを意識した方がよいということになります。
ワイドやゾーンの設定の場合、被写体は捉えやすいのですが周りに障害物(例えば、草原の草など)が多い場合はピントが障害物に持っていかれることがあります。
障害物のないところで被写体がくっきりと区別できるような場合には使いやすい印象です。
一方の中央やフレキシブルは、フォーカスエリアが小さいだけにピントも合いやすいのですが、被写体をそのエリア内に捉え続けることが前提になります。
ということで現時点でのまとめです。
1、猫撮影においてソニーのα7ⅢのAF-Cは使える
2、フォーカスエリアは、被写体と背景がくっきり区別できる場合はワイドなど広めでもかなり歩留まりはよい
3、障害物が多い場合のフォーカスエリアは、中央やフレキシブルスポットなどがおすすめ。
4、フォーカスエリアが狭い方がピントが合いやすいが、被写体をその枠の中に捉えるのは困難。そういう場合は、少し引き気味で撮影すると被写体を捉えやすい。
α7Ⅲ、猫撮影においてかなり好印象です。
使い倒しながら、気づいた点などをまたブログでアップしていきたいと思います。